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持続可能性

事業運営の鍵は、

責任ある森林管理にあり

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生態系回復

インドネシアのリアウ州のカンパール半島は、スマトラ島の東海岸に位置しています。そこには脆弱で独特な泥炭湿地の生態系があり、水を含んだ厚い泥炭層に熱帯の生物多様性を抱える森林が存在しています。悲しいことに、森林エリアは長年にわたる不法侵入やその他の非合法的な活動により荒廃が進み、温室効果ガス排出の一因にもなっています。荒廃は、種の消失や泥炭湿地の乾燥にもつながり、森林火災への脆弱性を高めています。

2013年5月、エイプリル社は、複数年にわたる生態系回復プログラムであるリアウ環境回復 (RER)に対する1,700万米ドルの財政支援を発表しました。当時のズルキフリ・ハサン インドネシア林業大臣が立ち上げたRERプログラムは、カンパール半島の生態系的に重要な泥炭森林エリアの生態系の回復へ包括的に取り組み、持続可能な方法で環境的、経済的、社会的ニーズを満たしていくものです。プログラムでは、共通の環境保護の目的に向けて協働する多様なパートナー間での積極的な連携モデルも構築しています。

当初、RERプロジェクトはカンパール半島の2万265ヘクタールをカバーしていましたが、その後2015年にさらに2万ヘクタールが追加されました。このエリアは、2012年11月にインドネシア政府より認められた生態系回復ライセンスに基づいて管理されています。新たな森林管理ユニット計画にあたるこの生態系回復ライセンスは、生物的、非生物的要素を回復することによって、特定の造林体系の中での生態系の機能と生産性を最適化し、生態系バランスの実現を目指していくものです。回復された生息地の生態学的プロセスと機能は、やがて元の生息地と極めて近いものになっていきます。

エイプリル社は、RERに対して財政的、技術的、そして資源の支援を提供し、このエリアの回復と長期的な保護を支えています。主なパートナーは、世界で最も早く設立された国際的環境保護団体であるファウナ・アンド・フローラ・インターナショナル(FFI)およびインドネシアの社会開発コンサルタントであるビダラです。エイプリル社とそのパートナーは、共通の重要な環境目標に向けて共に取り組んでいます。

RERプロジェクトによる回復には4つのプロセスがあります。

  1. さらなる荒廃からの景観の保護
  2. 生態系、およびそこに依存する人たちの社会環境の評価
  3. 植物および野生動物種の再生による生態系の回復
  4. 生物多様性とコミュニティの生活を維持するための長期的なエリア管理

これには大きな前進が見られ、初年度、RERは下記の成果を報告しています。

  • 現地雇用した35名に研修を行い森林管理員として配置し、生態系回復エリアを保護しています。彼らの3分の1はかつて不法伐採者や不法侵入者でした。彼らは、森林の生態系、陸路の運行、密林でのサバイバル、捜索救助、森林調査と植生分析の基礎的技能、消火と火災危険等級、効果的なパトロール、コミュニティの啓発に関する技能と知識を身に着けています。
  • 通常の地上監視と航空監視の両方によって森林エリアを監視し、潜在的な脅威を防いでいます。これは、道路でのアクセスが限られる2万ヘクタール以上におよぶ生態系回復エリアにとって特に重要です。
  • 生態系回復エリアの中心で行われていた2件の非合法的伐採活動を上空からのパトロールにより発見し、警察と共同で中止させました。
  • 鳥の密猟者による不慮の森林火災を消し止めました。
  • 森林を新たに作り始めるために苗床を設置し、それぞれの苗床で40以上のさまざまな在来種苗を数千本育てています。
  • ズルキフリ・ハサン インドネシア林業大臣(当時)の出席のもとで行われた初めての植樹式で、1,200本の固有種の樹木を植えました。
  • 非合法的な水路妨害活動に関する正確なデータと情報を提供するために、地形調査を企画・実施しました。
  • 定期的に訪問してコミュニティの意識を高め、森林回復の進捗に関する最新情報を伝えて話し合うことで、近隣の5つの村との緊密な関係を維持しました。
  • リアウ・マレー慣習親縁協会(LAMリアウ)を含むリアウ州の主要なコミュニティグループや幅広いステークホルダーと公式な対話を実施しました。カンパール半島のリアウ環境回復プログラムの発展において、コミュニティの関与と福祉が優先される中で、LAMリアウは、リアウ環境回復プログラムの管理策定を助けています。
  • 現地コミュニティに対して、非保護種の狩猟や漁猟に関する持続可能な手法について研修を行いました。

RERプログラムの詳細はこちら(Rekoforest)をご覧ください。

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